近代になると、細菌学の発展とともに多くの病原菌が発見され、歯科医学においても今日の口腔衛生の基礎となる口腔細菌が発見されました。日本では19世紀後半から諸外国との交流が盛んになり、歯科医学においてはアメリカからの影響が非常に強くなりました。
19世紀後半ごろまでは、江戸時代にみられた楊枝で歯や舌の清掃が行われていましたが、明治後半になると、西洋文化の影響を受けるようになり、歯ブラシが製造、販売されるようになりました。
初期の歯ブラシは鯨の鬣の柄に馬毛を植えたものでしたが、1882年ごろからは牛骨が用いられるようになり、1915年ごろにはセルロイドへと移行していきました。
しかし第二次世界大戦の影響でセルロイドは爆薬に使用されたために手に入らなくなります。その結果、再び木や竹を使用した歯ブラシに戻ったといいます。